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2006年06月17日

川口重美

傾ぐ冬富士人轢きし汽車動きそむ

如煙

大宮の朝立
清/\し不二に向ひし朝心

前々木といふ所にて
笠毎に朝露白き夜明哉

村山村の眺望
神の富士雲より上の高さ哉

夫より木立にかかりて
名も知れぬ木草の多し不二の裾

萱野にて
呼へは直く前て答へて夏野原

一合目にて鴬をきく
鴬もたしかに若し神の山

二合目にて
袖の下から雲湧きぬ富士の山

三合目にて全く草木なく 焼石原のみとはなりぬ
眼に障る物なし不二の三合目

四合目にて
ふもとにて雷なりぬ不二の山

五合目にて
夕立の下から来たり不二の山

六合目にて
雲霧を捉らへて見たり不二の山

七合目にて万代雪をかむ
不二崇し神代のまゝの峰の雲

これよりは一歩は一歩より 峻嶮となりゆきなか/\に 句作の余裕なし項上にて
暫らくは我より高き物はなし

こゝに至りて唯一身の無事 を祈る外一切の思決して邪なし
富士に来て神ならぬ人よもあらじ

※早稲田文学「俳句十四首」(1894)より

2006年06月16日

湖伯

富士見えていよ/\朧月夜かな

※早稲田文学の俳諧六首(1894)から

西本一都

秋色の南部片富士樹海より

短日や北見の国に北見富士

妻癒えよ一望に初富士初浅間

玲瓏と富士痩せ冬に入りにけり

坂ひとつのぼりて春の富士に逢ふ

2006年06月15日

越中おわら節(長囃子)

○越中で立山 加賀では白山
 駿河の富士山 三国一だよ
 <ハヤシ>
 唄われよー わしゃはやす

※一部

鳥海山の歌

○ここのお山は あずま一
 出羽富士の名ある 鳥海よ
 峰に白雪 白雪や
 夏でも 消えやせぬ
 夏でも消えぬ

※2番もある
※作曲/土方達男

※作詞者を教えてください!

2006年06月14日

加賀千代(千代女・千代尼・素園)

名月や何所までのばす富士の裾

富士の笑ひ日に日に高し桃の花

うぐひすや声からすとも富士の雪

富士はまだ水に明るし初がすみ

赤木格堂

初富士や浪の穂赤き伊豆相模

焼土にずり込む杖や富士詣

2006年06月13日

赤堀五百里

夕富士に夏蚕終ひのまぶし干す

赤城さかえ

白菜括る夕べは富士の現つ気配

富士夕焼父の言ひたきこと知りつゝ

2006年06月12日

赤松けい子

富士の根に眠りかなしむ山幾重

裏富士に天の一太刀鳥かへる

湖べりに富士を見惜しむ夕焚火

菜の花や坊主坐りに讃岐富士

※「けい」の漢字が難しい。

2006年06月11日

石嶌岳

白玉や一日富士を目の前に

初富士や箔一枚を置くごとし

石塚友二

富士颪まともに刈田鴉かな