« 2006年07月02日 - 2006年07月08日 | メインページへ | 2006年07月16日 - 2006年07月22日 »

2006年07月15日

三鼠(岡村恒元)

木のまたに六月尽の富士低し

※正岡子規の叔父

2006年07月14日

不易庵九十九

富士見ゆる窓を今年の恵方かな

※早稲田文学明治29年(1896)に収録

繁野天来

富士は兀たり海道百里の秋の風

おほ洋に富士ゆた/\と今日の月

※以上2句は早稲田文学、明治30年(1897)収録


「大路の雨」より
○急がしく水うつ人の、
 手をとめて空を仰ぐは、
 うれしくも富士の高根に、
 雨雲の起るなりけり。

※早稲田文学 明治28年(1895)収録


「孤鶴」
○砂白き 東海の浜、
 鶴一羽 朝日に翔り、
 わだつみの 万古の波に、
 影富士の 影にゆらぐも。
○末の世の 秋風たたば、
 飛ぶ鶴の 影もとどめじ、
 羽衣の 昔語りも、
 まぼろしの 三保の松原。
○汝(な)が厭ふ 街(ちまた)の塵も、
 朝日には 天の白雲、
 いざしばし 翼をとめて、
 富士の根の 雪にやすらへ。
富士の根の 雪に清きも、
 ゆく鶴は 帰り来らず、
 鳴き捨つる 一声遠く、
 波青し 三保の松風。
○飛ぶ鶴の 翼しあらば、
 天人の 羽衣なくも、
 われもまた 富士を抱きて、
 雲遠く 月をや訪はむ。
○つばさなき 身を喜びて、
 力なき 砂を蹈みつつ、
 わたつみに 涙洗へば、
 富士の山 朝日に浮ぶ。

※早稲田文学:新体詩三篇(明治28年)より

2006年07月13日

中村苑子

如月も 尽きたる富士の 疲れかな

空に透く旅のかたみの弥生富士

ふるさとの富士と真向ふ大旦

雪の墓碑富士逆光の訣れかな

中村苑子について

如月の・・・は、2006年2月28日の朝日夕刊(こころの風景)に立川昭二氏が「二月末の富士に疲れた表情を見てとる日本人のアミニズム」という表現で、この句を解している。

中川宋淵

焼あとに富士しづまりし初明り

2006年07月12日

竹中宏

白露より現れて直ちに富士高し

竹石一夫

湧く雲の流れて澄めり五月富士

※この方の情報を教えてください!

2006年07月11日

池内友次郎

夕富士の刻刻変る麦を蒔く

加藤磐斎

冨士  そめいろのやまの東は人も見す
      この世にたかき冨士のしら雪

2006年07月10日

谷迪子

霧ふかく不二は見えねど山開き

富士山学校が開校

静岡学ぶ:2006年6月16日
 ・ NPO法人「富士山測候所を活用する会」。
 ・ 15日、三浦雄一郎氏を校長に「富士山学校」を開校。
 ・ 約50人が参加。
 ・ 講師を務めた三浦さん「富士山からスキーで滑り降りた時には宇宙的な感覚に感動しながら滑った。富士山などの山に登ることが老化防止につながる」。
 ・ 浅野理事長は「山登りの健康への効用」の講演。
 ・ 高地民族に心臓病や高血圧症などの発症率が低い事例。
 ・ 富士山の自然や歴史、研究などについて理解を深めてもらう。
 ・ 来年3月まで「科学講座」を医学博士や気象予報士らが講師を務める。
 ・ 来年度以降も継続。

池田澄子

そよ風が肌を乾かす逆さ富士

2006年07月09日

谷川季誌子

水苔が見え鮎が見え下田富士

谷活東

初秋の雲がかゝるや富士の山