大野林火
凍屋根に丑満の富士かぶさりぬ
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凍屋根に丑満の富士かぶさりぬ
春の白い富士に犬が来ている野の道
富士を月夜とし鉄橋のある風景
雪の富士と句碑の量感をよしとす
富士が見える屋上でゴム風船持たされる
妻に故里の三月の富士を見する
かたつむり富士の見える方へ歩いてゆく
残雪の不二は真近し稲荷祭
富士を背にみどりしたたる妙法寺
不二を正座に八と甲斐駒侍立志て雲乃どん帳志つ可に下りくる
「南総里見八犬伝」(南總里見八犬傳)
仰ぎて西南を眺れば 夏の富士いまだ装を更めず。遥に東北を省れば 翠の筑波 尚霞を残せり。武総両国の都会にあなれば 海舶多く錨を卸し 商漁那這に軒を比べて 世渡り易き福地になんありける。然ば又這河辺に 三観鼻と喚做す出崎あり。什麼何等の由来にて 這名あるやと原るに 看官知らざる所あり。約莫這水際に 翹て観るときは 右は富士 左は筑波 前面は葛西の曠野まで 杳渺として障るものなく 只一覧にて 三箇の眺望あり。因て土人字して 三観鼻と唱へたり。
祭神は女神赤富士紅の濃き
赤富士に色失へる名残月
赤富士を眺めしあとの眉寒し