穂積忠
山茶花の霜てる朝をたちいでゝ富士に息づく伊豆人われは
午後すぎていよよ魍魎(もの)めく富士のかげ梅雨深くして月夜なりけり
町なみに富士の地下水湧きわきて冬あたたかにこもる水靄
湧水の水靄ふかくたちこめて街はひそけし大き不二ヶ嶺
山茶花の霜てる朝をたちいでゝ富士に息づく伊豆人われは
午後すぎていよよ魍魎(もの)めく富士のかげ梅雨深くして月夜なりけり
町なみに富士の地下水湧きわきて冬あたたかにこもる水靄
湧水の水靄ふかくたちこめて街はひそけし大き不二ヶ嶺
「朝日に匂ふ櫻花」
○朝日に匂ふ 櫻花
春や霞める 大八洲
紅葉色映え 菊薫る
秋空高く 富士の山
昔ながらの 御柱と
立ててぞ仰ぐ 神の國
※本間雅�昇郢譟榛監D構�作曲
※10番あるうちの1番
富士よりの風にも慣れし秋の蝶
初冨士につづく山々遠く近く
初秋の大きな富士に対しけり
富士を背に富士を真向きに茶を摘めり
雪晴の富士など見つゝ来られしや
迷ひ蟻富士夕映に包まるる
金風や蝦夷富士雲を遠ざけて
夕富士に力抜きたる土用波
雪解富士清水港も昏れてきし
汀歩す待春の富士輝いて
初富士の小さくなつて昏れにけり
くつきりと子規忌の富士でありにけり
赤富士や湖の底より日は昇る
新雪の富士の肩荒きへら使ひ
春雪の富士遠からず近からず
秋空に富士の孤高の犯されず
雪解富士見ゆる裏なり雑魚干せる
冬麗の富士が巨きく野に座る
富士仰ぐ背に意表つく時鳥
富士の肩鷲づかみして雲は夏
朝富士の素肌の荒きほととぎす