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2006年06月24日

相生垣瓜人

雲行きて初富士に著くこともなし

起し絵のけはしき富士の聳えけり

裏富士を傾き出でて炭車

宗左近

「市川賛歌(透明の芯の芯)」
○夕焼け おお 生命が炎える
 市川 夢の常夜燈
 舞う 縄文の蛍たち
 少女の乳首の尖きに富士とがり
 恋の継ぎ橋に立ちすくむ若者の瞳に
 どんな鳥が歌ってくれなかったろうか
 幸福より長い永遠はありはしないと
 市川 炎える生命
 常夜燈の夢
○曙 いま 世界が垂直
 市川 芯の芯の透明
 はばたく 虹の風たち
 恋の継ぎ橋を渡る若者の瞳に
 尖りはじめる少女の乳首の富士
 どんな光が祝ってくれないだろうか
 永遠と瞬間の沸りあう今こそが未来と
 市川 垂直が世界
 透明の芯の芯
※作詞宗左近/作曲三善晃
※3番あるうちの1番と3番

※2006年6月23日までに死去されたとのこと(6月23日報道)。ご冥福をお祈りします。

2006年06月23日

倉内法子

からつ風吹きて黒富士くつきりと

倉田素香

初富士に牝馬は四肢を揃へけり

2006年06月22日

前田普羅

慈雨晴れて色濃き富士へ導者かな

苗床やびようびようと鳴る富士颪

濛雨晴れて色濃き富士の道者かな

吉田素抱

いないいないバァを決め込む梅雨入富士

春光をやはらかに投げ利尻富士

利尻富士眼鏡の球の雪解冷え

利尻富士顱頂を覆ふ雪解靄

春光を鈍く放てる利尻富士

利尻雪富士望遠レンズに納むべく

梅の上に聳ゆ富嶽も相模ぶり

2006年06月21日

前川伊太郎

水澄むや湖に裾ひく逆さ富士

※この方の情報を教えてください!

2006年06月20日

浅羽緑子

初御空おのがひかりの中の富士

青富士や松の秀に鳴く茅くぐり

富士ふつと立つ草木瓜の返り花

小寒の夕映富士をのぼりつむ

軒菖蒲青き切つ先富士を指す

富士疎林三光鳥の声わたる

富士樹海森林浴の深息す

小寒の夕映富士をのぼりつむ

浅井一志

大いなる富士を入れたり青葉闇

2006年06月19日

川本朋紘

富士うつし富士の伏流水冷ゆる

※この方の情報を教えてください!

川田蛎雪

初雪の富士を車窓に眺めつゝ

※この方の情報を教えてください!

2006年06月18日

川端茅舎

初富士や石段下りて稚児ケ淵

野分跡暮れ行く富士の鋭さよ

川村紫陽

芦枯れて富士逆富士ひかり合ふ

裏富士に雲のたてがみ雪来るか

花浅沙富士より青き逆富士

桐の花富士と大空頒ちけり

富士に身を乗り出して松手入れかな

見馴れゐて見飽かぬ富士や初霞

天空に白妙の富士磯遊び

追羽子に富士より高き天のあり

左富士野川曲れば稲架曲がる

疾風富士水中芦の芽の育ち

梅林の山越しの富士小さかり