沢木欣一
赤富士の胸乳ゆたかに麦の秋
初旅の友来る富士の裾野より
笹鳴や満月登る富士の肌
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赤富士の胸乳ゆたかに麦の秋
初旅の友来る富士の裾野より
笹鳴や満月登る富士の肌
富士一つ浸せり春の水はろに
蒼白き雲海に富士日の出待つ
ふじのねは雲はれわたる度毎に
たかさやそふとおどろかれつゝ
蒼茫に冨士をさがしつ明易き
冬靄に赤富士こもるスズキ舟
大山の南に不二や渡り鳥
「富士山出水之図」
天保五年甲午四月、七日夜より駿河の国富士郡(ごほり)のほとり殊(こと)の外大雨降出し同八日益(ますます)大風雨にて午の刻ごろより不二山震動いたし頻(しきり)に暴雨滝のごとく不二の半腹(はんふく)五合目あたりより雪解水一度にどつと押出し萱野にて水筋三道(たう)に相分れ一筋の水巾凡(およそ) 半里ほどづつ有之皆泥水にて裾野村々へおし出し未刻ごろにハ水勢いよいよ盛んになり小山の如くなる大浪(なみ)打来りて裾野の在家村々の建家皆押流し老若男女のともがら家の棟に取付(とりつき)或ハ木の枝にすがり付などして声を限りに泣喚(さけ)ぶ牛馬などハ繋(つなぎ)し侭(まま)に流れ来り溺死する者その数をしらず既に大宮の町並家毎に残らず流れ富士御林(おはやし)の諸木長さ二丈三丈差わたし四五尺ほどづつも有(ある)大木根こぎになりて流れ来り巌石を転(まろば)し小石を降し震動雷電おびただしく今や天地も反覆するかとおそろしく流るる男女の泣さけぶ声す地獄の呵嘖に異ならず都(すべ)て死人おびたたしく水筋流れし通(とほり)ハ七八里其巾の広さは三里に余り彼是(かれこれ)十二三里か間■々(びやうびやう)たる荒地となりぬ
斯(かか)るめづらしき事ハまた有べくともおぼえず
終(つい)に一紙にしたためて後世に残ししらしむるのミ
※天保5年(1834)
※東大、小野秀雄コレクション
偏平に並べる小屋の遠くにていまいまし富士の雪は晴れたり
めずらしく晴れたる冬の朝なり手広の富士においとま申す
北斎は左利きなり雨雲の上から富士を書きおこしたり
八階の窓の向こうににこりと不二が笑ってのぼりおりたり
不二が笑っている石が笑っている笛吹川がつぶやいている
初富士をしばらく旅の肘の上
富士を見し眼もて淡墨桜狩
初富士の浮かび出でたるゆふべかな
雲は冬残留孤児の富士額
麦踏みの富士のぼりきる長さとも
炎天の富士となりつつありしかな
毎日静岡:2006年7月2日
・ 開山式では参加者約60人が登山者の安全を祈願。
・ 富士宮市観光協会は7〜8月で25万人の登山客を見込む。
・ 式では
宮司による安全祈願
小室市長「夏登山を開始します」
グレアム・フライ駐日英国大使が招待された。
富士市の秋山さん(57)「1年間の健康を祈って登ります」。
・ 静岡森林管理署の非常勤職員6人による「グリーン・パトロール」を初めて実施。
臨時職員を募集した。
3登山口と周辺国有林を9月末までパトロール。
毎日山梨:2006年7月2日
・ 1日、5合目(2305メートル)から山頂まで雨と強風、濃霧に包まれた。
・ 未明から山頂などで待機していた登山者500名は、ご来光を拝めず。
・ 午前5時ごろから天気が回復。
・ 5合目の小御嶽神社では「夏山開山祭」。
5合目観光協会メンバーが神社の守り神、大(だい)天狗と小天狗に扮した。
富士山型の富士型御輿
担ぐ女性ら同協会員、同神社崇敬者の男女約50人が集合。
鳥居に張られたしめ縄を大天狗が斧で断つ。
「わっしょい」の掛け声と共に6合目まで練り歩いた。
・ 千葉県の佐瀬さん(56)「富士山を訪れるのは初めてで、ご来光を楽しみにしていたのに」。
読売静岡:2006年7月2日
・ 5合目駐車場は満杯。
・ 東京都の名古屋さん(47)はこの日の登頂が113回目。
午前6時に5合目を出発、正午ごろ剣が峰に到着。
・ ガスの切れ間から伊豆半島や駿河湾、南アルプスが見渡せた。
・ 名古屋さん「登れば登るほど富士山が好きになっていきます。雨も降らず、快適でいい登山でした」。
・ 新6合目「宝永山荘」の渡井さん(65)「未明から団体客を含めると300人以上が登った。天候に恵まれる、いいシーズンになってほしい」。
・ 県によると、富士宮8合目以上は7月中旬に解除の見込み。
読売山梨:7月2日
・ ひたちなか市の佐藤さん(21)「ご来光は見ることができなかったけれど、日本一高い山の頂上まで行けただけでも良かった」。
・ 県と友好県省協定を結んでいる中国四川省の高校生20人と県内高校生20人による「日中平和富士山登山」を山開きに合わせて実施。
・ 四川省の唐立(トーリー)さん(14)「みんなで協力して富士山に登れてとても楽しかった」。
・ 6合目の富士山安全指導センターでは焼却式トイレ設置作業が進む。
・ 8合目の山小屋では30日の宿泊者が約150人(?)。
産経静岡:7月2日
・ 富士宮口8合目以上の規制のため、途中で引き返した人も多かった。
・ 首都圏から訪れたグループ「天候が良くないが快晴よりも登りやすかった」。
産経山梨:7月2日
・ 茨城県の香山さん(65)「ご来光が見られずに残念。現役をリタイアしたが体力があれば再挑戦したい」。
・ 雨は午前7時ごろに止んだ。
・ 富士吉田市の「歴史の道を再発見 歩こ!富士山」に約20人が参加。
朝日山梨:2006年7月1日
・ 北口本宮富士浅間神社などで、30日、恒例の開山前夜祭。
・ 前夜祭は午後2時前スタート。
・ 金鳥居市民公園から同神社までの「富士講パレード」。
・ 約150人が白装束などの姿で約2kmを歩いた。
・ 神社到着後、
安全を祈る神事
カヤの輪をくぐって身を清める「茅(ち)の輪くぐり」
神様の「手力(たぢから)男命(おのみこと)」が鳥居に張ったしめ縄を木づちで切る「お道開き」。
朝日静岡:2006年6月30日
・ 7月1日に山開き。
・ 全国に1300余ある浅間神社の総本宮である浅間大社社殿が現在の場所に移ったとされて1200年。
・ 富士宮口では記念として、例年以上のイベント。
・ 富士宮口の開山祭は1日午前9時、浅間大社楼門前。
日本建築専門学校生がヒノキで造った大金剛杖を大社に奉納。
長さ3.776m、太さ37.76cm。
・ 旧登山道口の村山浅間神社では午前11時から入山式。
開山祭
英国のグレアム・フライ駐日大使夫妻が小中学生と交流。
みそぎやごまたき神事など伝統行事。
夫妻は5合目で開山宣言。
オールコック・駐日英国公使の石碑に献花。
・ 大社では午後4時から開山フェスティバル。
ふじキンダー学園の幼稚園児120人が富士山詩吟吟詠。
後藤良夫さん作詞作曲の記念歌「思えば千と二百年」の歌手オーディション。
ミス富士山コンテスト。
・ 30日夕には、大社参道などで3776本のろうそく点灯「表富士回廊」。
・ 深夜には湧玉池で約200人の若者がみそぎ。
御神火みこし。
山日富士山:2006年6月30日
・ 山開きを前に、富士吉田署と御坂山岳会は29日、山岳パトロール隊の編成式。
・ 署員と山岳会員約50人で編成。
・ 7、8月の2か月間活動。
・ 山岳会の勝俣副会長「落石によるけが、高山病などにならないよう、無理せずゆっくり登ってほしい」。
雪解富士林道山の端を行けば
雪解不二見て来て青き近江不二
めじるしの能登不二ねむる漁休
※2007年3月1日、俳人大島民郎氏死去されました。ご冥福をお祈り申し上げます。
初旅の晴れ晴れしさよ焼津富士