« 2007年06月17日 - 2007年06月23日 | メインページへ | 2007年07月01日 - 2007年07月07日 »

2007年06月30日

延広禎一

赤富士や乾されてありし万祝着

2007年06月29日

正富汪洋

トルストイを友といはむにわれおもな富士の東に爪喰(は)みて居る

2007年06月28日

石榑千亦

萬(よろず)のものみなひそまりて天つちは一つの不二となりにけるかも

2007年06月27日

服部躬治(もとはる)

富士道者つらなりわたる並木路の並松が上に蝉鳴き喧騒騒ぐ

凝り成せる豊旗雲の凝りあへぬすこしの間に富士の遠山

遠富士は闇のあなたに月かげは闇のこなたにわれは殿戸に

相客となりし昨夜(ユフベ)の人も亦駕を出でたり富士見ゆる茶屋


「富士百首」より
手に撫でて神世の昔わが問へば巌もの言はずただ風に吼ゆ
この山しまこと扇の形ならばここや要のあたりなるらむ
ここにしてわが吹く息の狭霧より八州の野に雲満つらむか
火を噴かむけはひもあるを静なる山の姿と誰か見るらむ
足下にはたたく神の声すなりなゐかふるらむ四方の国原
見かへれば雲より外のものもなしいづこより来しわが身なるらむ
よぢていなば天知るべきをいつの世にとだえけりせむ雲の桟橋
白雪をかざみにかめば鉄のわが骨軽くなりにけるかな
わが心今ぞたらへる家に在りてよそに仰ぎし天雲の上に
かぐづちの血しほやここにたばしりし五百津磐村(イホツイハムラ)煙わきのぼる
手をのべて取らばやとしもおもふ哉ななめになりぬ北斗七星
文机に載せて見るべくこの山の形に似たる石や拾はむ
高らかに歌ひて居れば白雲のわれをはばかりて遠ざかりゆく
富士が根に煙はたたず然れども底の思ひはもえまさらずや

2007年06月26日

白鳥省吾

生れ故郷の栗駒山はふじのやまよりなつかしや

2007年06月25日

教科書

富士山」(よみかた四)
どこから 見ても、いつ 見ても、富士の お山は 美しい。
白い おうぎを さかさまに、かけた 下から 雲が わき、
すそ 引く はての 松原に、太平洋の 波が 立つ。
やさしいようで おおしくて、
とおとい お山、神の 山。
日本一の この 山を、世界の人が あおぎ見る。


富士の山」(うたのほん)
○大昔から 雲の上、雪をいただく 富士の山
 いく千まんの 国みんの 心きよめた 神の山。
○今、日本に たずね来る よその国人 あおぐ山。
 いくまん年の のちまでも、世界だい一、神の山。

2007年06月24日

天田愚庵(天田五郎)

ふじかねにのぼりて四方の国みるもまづふるさとの空をたずねて