メインページへ

2007年03月25日

後鳥羽院

うき世厭ふ思ひは年ぞ積もりぬる富士の煙の夕暮の空

清見潟富士の煙や消えぬらん月影みがく三保の浦波

2006年10月30日

歌会始

平成11年:お題「青」
崇仁親王殿下お歌
 富士を背に青海原を泳ぎきり芋粥うまし三津(みと)の浜べに


平成9年:お題「姿」
鄂痢覆箸發劼函某堂θ淇子殿下お歌
 祈りにも似る心地して白雪(はくせつ)の富士の姿を仰ぎみる朝


平成6年:お題「波」
崇仁親王殿下お歌
 さざ波をこがねに富士を紅に染めて初日はいまのぼりゆく


平成5年:お題「空」
御製
 外国の旅より帰る日の本の空赤くして富士の峯立つ

正仁親王殿下お歌
 ひさびさに晴れし東京の空遠く富士の高嶺はくきやかにみゆ

宣仁親王妃喜久子殿下お歌
 富士のみね空より見つつ飛びゆきてひらくるみ世の幸おもふかな

崇仁親王殿下お歌
 しののめの空に浮かびし紅富士の色さやかなり年の始めに


昭和62年:お題「木」
崇仁親王妃百合子殿下お歌
 富士の水ここに湧きいで道の辺の木立さやかに茂り立つなり


昭和57年:お題「橋」
御製
 ふじのみね雲間に見えて富士川の橋わたる今の時のま惜しも


昭和55年:お題「桜」
崇仁親王妃百合子殿下お歌
 遠木立霧にうすれて窓の辺にさやかに見ゆる富士桜の花


昭和54年:お題「丘」
雍仁親王妃勢津子殿下お歌
 新雪の富士もはれたり駿河の丘の茶畠花ざかりにて


昭和49年:お題「朝」
正仁親王妃華子殿下お歌
 見はるかす雲海の果あざやかに今し富士山に日はのぼりそむ


昭和47年:お題「山」
皇后陛下御歌
 紺碧の海のかなたにそびえつつけさ見る富士は雪ましろなり

宣仁親王殿下お歌
 青空の晴れて雲なし富士が峰は遙かに白く雪の映えたる


昭和37年:お題「土」
雍仁親王妃勢津子殿下お歌
 なれぬ手に鍬もにぎりてしたしみし富士の裾野の土なつかしも


昭和28年:お題「船出」
選者 折口信夫
 遙々(はりばろ)に船出て来しか海(わた)の原富士の裾辺は波隠れけり


昭和25年:お題「若草」
宣仁親王妃喜久子殿下お歌
 雪の富士見ゆる岬の枯生(かれふ)にてひときはめだつ若草の色


昭和24年:お題「朝雪」
崇仁親王殿下お歌
 はるかなるふじにのみ見し白雪をけさはふみゆくまなびやへのみち


昭和23年:お題「春山」
雍仁親王妃勢津子殿下お歌
 庭つづきみなれしふじも愛鷹もにはかにとほしかすみかかりて


昭和22年:お題「あけぼの」
雍仁親王妃勢津子殿下お歌
 あかぼしのまたたき消えてふじのみねあけゆくそらににほひそめたり

孚彦王妃千賀子殿下(朝香宮)
 富士の嶺は相模のうみはくれなゐの色にはえつついまし明けゆく

選者 帝国芸術院会員 窪田通治
 あけぼのとそらなりゆけばゆきしろくたてるふじがねてりいでむとす

2006年03月25日

今上天皇

外国(とつくに)の旅より帰る日の本の空赤くして富士の峯立つ

2006年02月01日

昭憲皇太后(明治天皇の皇后)

二十七年 新年山
新しき年の初日に富士の根の雪さへにほふ朝ぼらけかな

二十七年 海上夕立
富士の根は雲にかくれてくらざはの沖ゆく船にかゝる夕立

四十年 折にふれて
大君のみいつおぼえて日かげさす劔が峯の雪ぞかゞやく

三十七年 眺望
三浦がた富士の高根のみえぬ日も江の島のみはさやけかりけり

四十二年 湖上舟
玉くしげ箱根のうみをゆく船にうつれる富士の影うごくなり

三十八年 
あしたづのは山の里にうちむかふ富士より高き齢かさねよ

三十年 西京にものしける時御殿場あたりにて
見ゆべくも思はざりしを富士の根の雲間さやかにあらはれにけり

四十年 田子の浦にゆきしをり
道すがら心にかけし雲はれて雪さやかなる富士を見るかな

明治天皇

明治十一年以前 述懐
をぐるまのをす巻きあげてみわたせば朝日に匂ふ富士の白雪

明治十七年 晴天鶴
富士のねもはるかに見えてあしたづのたちまふ空ぞのどけかりける

明治二十九年 山霞
あま雲もいゆきははゞかる富士のねをおほふは春の霞なりけり

明治三十五年 薄暮山
あかねさす夕日のかげは入りはてゝ空にのこれる富士のとほ山

明治三十八年 新年山
富士のねに匂ふ朝日も霞むまで年たつ空ののどかなるかな

明治四十一年 富士山
万代の国のしづめと大空にあふぐは富士のたかねなりけり

明治四十三年 海辺雪
波のうへに富士のね見えて呉竹のはやまの浦の雪はれにけり

***************
・ 以上、大正十一年九月にまとめられた明治天皇御集から「富士」を含む歌。
***************