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2006年04月29日

男性滑落、骨折

山日:2006年04月27日
 ・ 26日13時半ごろ、登頂後、8合目(標高3020m)付近で滑落。
 ・ 甲府市の会社役員男性(47)が単独下山中に。
 ・ 左足首を骨折。119番→県警ヘリ「はやて」が救助、病院へ。
 ・ 登山開始は同日6時半ごろ。
 ・ 風で飛ばされたゴーグルを拾おうとして、バランスを崩した模様。
 ・ アイゼンなど冬山装備は着装していた。

三橋敏雄

裏富士は鴎を知らず魂まつり

海風や次第に雪の表富士

三橋敏雄について

三木十柿

秋夕焼不二の黒さを残しけり

※この方の情報を教えて下さい!

三田逃水

臘梅や不二にも重き空の青

三上良朗

蕎麦刈つて富士は根雪となりにけり

三枝正子

墨色の富士へ短かき男郎花

三好達治

艸木瓜や山火事ちかく富士とほし

2006年04月28日

佐藤春夫

欅落葉野末は富士の白くして


「オリンピック東京大會賛歌」
○オリンポス遠きギリシャの
 いにしえの神々の火は
 海を超え荒野をよぎり
 はるばると渡り来て
 今ここに燃えにぞ燃ゆる
 青春の命のかぎり
 若人ら力つくして
 この國の世界の祭
 喜ばん富士も筑波も
 はためきて五輪の旗や
 へんぽんとひるがえる
 日本の秋さわやかに

※4番まである

佐藤脩一

夕富士に寒雲こぞる別れかな

細見綾子

新雪の富士の肩荒きへら使ひ

春雪の富士遠からず近からず

細木芒角星

秋空に富士の孤高の犯されず

斎藤梅影

雲の上行く二日目や富士詣

※この方の情報を教えて下さい!

斎藤玄

寒声や柱のごとき富士応ふ

山下滋久

窓に富士得たる勤労感謝の日

2006年04月27日

太田牛一

「信長公記」
富士の根かた、かみのが原、井出野にて、御小姓衆、何れもみだりに御馬をせめさせられ、御くるひなされ、富士山御覧じ候処


太田牛一について

佐藤紅緑

野の末に小き富士の小春かな

佐藤幸寿

出羽富士の明るき日なり鮭のぼる

2006年04月26日

宝永山で遺体発見

静岡社会:2006年4月23日
 ・ 千葉県木更津市に住む32歳の公務員の男性。
 ・ 22日早朝に「富士山の写真を撮りにいく」といって自宅を出たが、夜になっても帰宅せず。
 ・ 携帯電話でも応答なし。
 ・ 男性の車は御殿場口で発見。

読売静岡:24日
 ・ 自衛官男性(32)
 ・ 23日御殿場署に妻(38)から連絡。
 ・ 同日朝から署員ら25人と県警ヘリで捜索。
 ・ 御殿場市中畑の5合目太郎坊付近の登山口駐車場で、男性の軽乗用車を発見。
 ・ ジャンバーとリュックの軽装備。
 ・ 24日も午前5時から40人体制で捜索予定。

毎日静岡:24日
 ・ 23日未明に自衛官宮木伸二氏の妻から届出。
 ・ 「22日に富士山に写真を撮りに行った夫が夜になっても戻らず携帯も通じない」
 ・ 身長164センチ、体重64キロ、角刈りで、青色の登山用ザック。

毎日静岡:25日
 ・ 24日午後1時50分ごろ、宝永山(標高2693メートル)火口付近で遺体で発見。
 ・ 山岳救助隊と県警のヘリ1台が捜索を続けていた。
 ・ 宝永山火口から400メートル下った岩場に倒れていた。
 ・ 御殿場署では滑落したとみている。

佐藤一色

富士を背に源氏蛍の小宇宙

※この方の情報を教えてください!

佐土井智津子

富士現れて万物露を輝かす

佐田栲

冬耕や蒼天の富士全かり

※この方の情報を教えてください!

佐々木六戈

よく吠えてこの寒犬の富士額

根岸善雄

うすうすと容なす富士冬菜畑

2006年04月25日

久保田万太郎

夕富士のいろの寒さとなりにけり

ゆく秋の不二に雲なき日なりけり

かまくらの不二つまらなき二日かな

ゆく年の不二みよと也瑞泉寺

不二に雲かゝりて霜の消えにけり

ゆく春や客にみせたき不二みえず

夕みぞれいつもは不二のみゆるみち

桑畑へ不二の尾きゆる寒さかな

雲かぶる不二におどろく二月かな

はや梅雨の曇りの不二をかくしけり

日ざかりや不二をみせじと雲の波

今瀬剛一

初富士が車窓にありて誰も言はず

今橋眞理子

初空へ雲を放ちて富士現るる

冬濤ヘカーブを切れば富士のあり

寒濤に富士立ち上がる如くあり

今井千鶴子

ベランダの椅子に大きな富士の闇

夕富士を見つつ帰らん日は永き

黒木野雨

初不二やいまに変らぬ駿河台

川柳2

富士の山三宿り程はついて行き

三島女郎三国一の化粧水

動かざる富士道連れに二タ日ほど

水に木の葉も浮き島の富士颪

左富士しばらく首を矯(た)め直し

真ッ白な名歌を赤い人がよみ

田子の浦白きをほめる赤い人

赤人の歌白いのを百へ入れ

富士の歌山の辺りの人が読み

富士山を地引きにかける田子の浦

富士山の上を漕ぎ行く田子の浦

田子の浦船頭山の上を漕ぎ

凪の日は富士に網打つ田子の浦

沖釣りのいくらか富士に餌を取られ

瀬の早きことも三州一の川

墓水に富士一つづつ清見寺

富士もう薄く清見寺夕勤め

清見寺目馴れて低き富士の峯

御一生富士を間近に御上覧

富士と釣り合って大きな御器

隠密を富士のふもとで局いい

富士を見無くして力の落ちる旅

鎌倉を丸明きにして富士を狩り

勝れたる頭は富士に勢子を入れ

兄弟のほまれ三国一の場所

兄弟は富士を枕にするつもり

富士の裾貧乏神の社あり

人穴に猪武者を乗り込ませ

人穴も名所となって入りもせず

柱の九合目富士講の日掛箱

先達はきめゃうちゃうらいばかり云う

先達の棒を集めて宿をとり

路銀まで山割りにする富士道者

富士道者友を集める笠印

江戸の富士裾野は茄子の名所なり

駒込は一富士二鷹三茄子

駒込の富士は二三も一トところ

いい天気高田へ富士が二ッ見へ

富士山は穴八幡に遠からず

浅草の不二も裾野に升目あり

2006年04月24日

高柳重信

富士白富士至るところの富士見

いまわれは遊ぶ鱶にて逆さ富士

赤富士不二も不一も殴り書き

雪しげき言葉の富士も晩年なり


「戸田町の正月」
秩父颪と呼ぶ北風が、日がな一日吹きつのり、空気が澄みきってくる夕暮れどき、夕焼に染(にじ)んだ西の地平線にくっきりとした富士が雪を被て、うす桃色に遠望できるのが、わずかに正月らしい風景なのであろうか。しかし、その遠望の富士につづく枯色の荒川の堤防や、更にそのこちら側の畑には、元旦早々から麦踏みの人影が見え、思えば、富士の遠望に心を奪われているのは酔眼の僕ただひとりのようである。

黒川憲三

黒富士を稲妻が刺す大地かな

黒坂紫陽子

富士登山うしろに迫る馬の息

高野寒甫

夕富士の火屑となんぬ稲雀

高浜年尾

初富士は枯木林をぬきん出たり

山荘の富士ざくらこそ見ほましく

避暑三日富士の笠雲雨か風か

斎藤長秋(幸雄)・莞斎(幸孝)・月岑(幸成)

「江戸名所図会」
高田富士山 稲荷の宮の後にあり 岩石を畳むて其容を模擬す 安永九年庚子に至り成就せしとなり この地に住める富士山の大先達藤四郎といへる者これを企てたりといふ 毎歳六月十五日より同十八日まて山を開きて参詣をゆるす 山下に浅間の宮を勧請してあり

2006年04月23日

石川丈山

「富士山」
仙客来遊雲外巓
神龍棲老洞中淵
雪如■素煙如柄
白扇倒懸東海天

※■(糸へんに丸)

※仙客来たり遊ぶ 雲外の巓
 神龍棲み老ゆ 洞中の淵
 雪はがんその如く 煙は柄の如し
 白扇倒(さかしま)に懸かる 東海の天

高木晴子

初富士を眺めの句座をしつらへん

荒井正隆

クレソンの葉混みはぐくむ富士の水

初富士の天つ袴として立てり

高橋青湖

南部富士地吹雪寄する中に聳つ

高橋謙次郎

稲刈に富士が一日ある日和

高木石子

秋の燈を湖畔に配り富士暮るる

高浜虚子

富士詣一度せしといふことの安堵かな

とある停車場富士の裾野で竹の秋

北に富士南に我家梅の花

初富士や双親草の庵にあり

初富士や草庵を出て十歩なる

撫子も草の庵も富士のもの

暗やみの中に富士あり羽蟻の夜

代馬は大きく津軽富士小さし

ひろびろと富士の裾野の西日かな

門飾吹きゆがめたる富士颪

富士詣一度せしといふ事の安堵かな

富士に在る花と思へば薊かな

高橋淡路女

おほらかに裾曳く富士や花芒

初髪や眉にほやかに富士額

高木蒼梧

夏富士や晩籟神を鎮しむる

芒野はしろがねに日は富士に落つ