勝又一透
富士消えて空の濁れる春深し
朝の富士大きく生まれ梅の宿
凍蝶のたちたる籠に不二のこる
木枯のはるかなものに富士ひとつ
打ち晴れて富士孤高なる仏の座
成人の日の裏富士のうつくしき
初富士の汀の果てに立てりけり
枯萱の山ふかく来て富士に会ふ
夕富士の消ぬべくありぬ花瓢
大富士の愛のごとくに大泉
ちちははの朝寝の富士の美しく
大冨士にひれ伏す軒端寒晒
ふるさとの不二かゞやける薺かな
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富士消えて空の濁れる春深し
朝の富士大きく生まれ梅の宿
凍蝶のたちたる籠に不二のこる
木枯のはるかなものに富士ひとつ
打ち晴れて富士孤高なる仏の座
成人の日の裏富士のうつくしき
初富士の汀の果てに立てりけり
枯萱の山ふかく来て富士に会ふ
夕富士の消ぬべくありぬ花瓢
大富士の愛のごとくに大泉
ちちははの朝寝の富士の美しく
大冨士にひれ伏す軒端寒晒
ふるさとの不二かゞやける薺かな
ふれんとし花も剌持つ富士薊
菜の花や海よりかげる薩摩富士
裏富士や男に憑きし碧揚羽
描きかけてありし画板の皐月富士
影富士の及ぶ花野の県境
冷し瓜富士の真清水戸々に湧き
初富士の紅さしそめて町の上
紺青の駿河の海に聳えたる
紫匂ふ冬晴れの富士
垂れこめし雲中腹に凝結し
忽ち白く抜けいづる富士
夕靄の伊豆を包みて海原も
富士も縹に冬の日暮れぬ
野も山も包み了りて春霞
包みあませる富士の白雪
厩にして富士ははるかに遠ざかり
機は一文字南の島
いまさらに富士大いなり初御空
萱刈の声とばしけり富士颪
芒野に富士も全し今日の月
冬の日や富士を残して落ちにけり
山開き遅るる富士の残り雪
富士と我隔つものなき初明り
この岨の富士細身なり風露草
絵日傘に触るる親しさ秋田富士
蓴生う富士の伏流水ぞんぶん
読売社会:2006年5月3日
・ 3日13時半ころ、山梨県側の8合目付近で男性が滑落。
・ 登山者が目撃、110番通報。
・ 県警のヘリで病院へ運ばれたが、頭などを強く打っており、午後5時ころ死亡。
・ 富士吉田署で身元確認中。
・ 70歳前後で、単独登山とみられる。
朝日山梨:4日
・ 3日、登山客の滑落が相次ぐ。
・ 午後4時20分過ぎ、7合目付近でスキー男性が滑落。
スキー客から110番。
約1時間後、県警ヘリ「はやて」で救出。
顔などにけが。病院へ。
藤沢市の藤沢さん(33)。
現場はアイスバーン状態だった。
死亡の男性 身元を確認 富士山・滑落事故
朝日山梨:5日
・ 4日、亡くなった男性は流山市の松田さん(69)と確認。
・ 松田さんは登山が趣味、富士山も数回登頂経験。
山日富士山:4日
・ 死亡事故:当時、晴天で風もほとんどなし。積雪はあり。
・ けが:
同僚と2人でスキー滑走中にアイスバーンに足を取られて滑落。
同僚とはぐれ、別の登山者が発見通報。
・ 富士吉田署:今シーズンの富士山遭難は、今回の2件を含めて計4件。死者2人、負傷者2人。
富士真白諸君も髯を剃れという
丸みぐせ伸ばす富嶽のカレンダー
富士みえる筈のあたりの朝曇
日の讃歌富士はつ秋の山容ち
讃岐富士聳え晴天高うする
初富士の玲瓏巨き創あをし
富士の孤の秋空ふかく円を蔵す
富士暮れしそば金縁の雲うかぶ
松の間に真白き富士のどこかが見ゆ
富士茜真紅の冬日しづみければ
赤き富士朝霧の上の山の上に
富士の肩棚雲よりも夕焼濃し
富士を見に芽ぶきし木々をぬけてゆく
富士講の御師の胡座やあをふくべ