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篠原梵

富士の孤の秋空ふかく円を蔵す

富士暮れしそば金縁の雲うかぶ

松の間に真白き富士のどこかが見ゆ

富士茜真紅の冬日しづみければ

赤き富士朝霧の上の山の上に

富士の肩棚雲よりも夕焼濃し

富士を見に芽ぶきし木々をぬけてゆく