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2007年05月31日

百井塘雨

「笈埃随筆」の「温泉」から
世に温泉の説多くて未だ理を尽さず。俗には硫黄の気伏して温泉をなすといふは惣論なり。それ地下に温泉あるがゆへに、薫蒸して硫黄有とはいふべし。地下に水脉有。火脉有其二脉一所に会して、近く融通するあれば、必ず水泉温沸す。
されば水脉と云ものに引れて、山上に出る湖有り。我邦にても奥の塩の井、甲州の塩の山など是なり。
又火脉の渤興せる富士、浅間(信濃)、阿蘇(肥後)、温泉山(肥前)、宇曾利山(南部)、霧島山(日向)等なり。平地は室八島(下野)、越後地火(蒲原郡)。或は海中にも硫黄島(薩州)、八丈島(伊豆)あり。
必火脉有れば温泉と成る。桜島(薩州)、又松前の辺なる島にも有。故に海中といへども真水有。

2007年05月30日

古田拡

「静岡市立商業高等学校 校歌」
○目をあげよ 心をただせ
 富士の嶺 われに対せり
 胸ふかく われは吸う 富士の霊気
 ああ 澄みとおる わが学舎
 鳴れ 旗風
 起これ 歌声
 わが母校 静岡市商
 静岡市立商業高等学校

※3番のうち1番
※作詞古田拡/作曲有賀正助


「横浜市立富士見台小学校 校歌」
○虹が立つ
 富士の嶺かけて虹が立つ
 世界に放つわたしらの
 平和の鳩の羽ばたきに
 天地をつなぐ虹が立つ
 ここは横浜
 わが富士見台小学校
○旗が鳴る
 自主創造の旗が鳴る
 空はてもなく澄み渡り
 富士の白雪さわやかに
 わが学舎の旗が鳴る
 ここは横浜
 わが富士見台小学校

※3番のうちの2・3番
※作詞古田拡/作曲有賀正助

2007年05月29日

中島喜久平

「長野県諏訪清陵高等学校 第二校歌」
○春城上の花霞 白帆のかげもほのかなる
 衣ヶ崎の朝ぼらけ 芙蓉の峰を望みては
 昔忍ぶの石垣に みやびの胸の通ふかな

○朱曦八荒を照らすとき
 芙蓉峰頭一点の
 理想の花の咲かむまで

※10番あるうちの2番と、10番終わったあとの最後の節
※作詞中島喜久平

2007年05月28日

都乃錦(都の錦)

「元禄曾我物語」(東海道敵討)
上は錦の玉だれの中 下は鍛冶屋の三蔵までこふした紋は能ッく御存の事。其源は伊東が邪水よりをこつて 河津が相撲の手に流れ 末は富士野ゝ雪ときえにし貧乏神のむかし語り。

2007年05月27日

伊藤長七

「長野県諏訪清陵高等学校 第一校歌」
○春城上の花霞 白帆のかげもほのかなる
 衣ヶ崎の朝ぼらけ 芙蓉の峰を望みては
 昔忍ぶの石垣に みやびの胸の通ふかな
○夏は湖水の夕波に 岸の青葉をうつしつつ
 オール執る手も勇ましく 漕ぐや天龍富士守屋
 げに海国の日の本の 男の子の意気ぞたのもしき

※8番のうちの2番と3番。
※伊藤長七作詞

2007年05月26日

高梨公之

「日本大学三島中学・高等学校 校歌」
真白き富士の 嶺を負いて
 花咲きほこる 三島路に
 聳えて高き わが母校
 師弟集いて燃ゆる血に
 理想の星を目指さなん
 ああ 日大三島
 われらに栄え あれ

※4番のうち1番
※作詞高梨公之/作曲貴島清彦

2007年05月25日

佐藤金造

メナド富士の空に立舞ふ白花をいつくしと見けむとぶ荒鷲も

※メナド富士=インドネシアにあるKlabat山

2007年05月24日

浅田光

赤富士は時空を超えて北斎忌

2007年05月23日

和知喜八

樹下しろく白木蓮こぼれ富士の下

2007年05月22日

佐伯孝夫

「千葉県立小金高等学校 校歌」
はるかな富士よ 筑波は間近
 江戸川光り わが窓高し
 照る日 雨の日 雪降る冬も
 学びの道に汗してはげむ
 若人 こゝに小金高校
 讃えよ われらの小金高校

※3番のうち3番
※作詞佐伯孝夫/作曲吉田正


「喧嘩富士」
富士は白雪 この雪化粧
 江戸から見ている 人もあろ
 どうせ一宿 ササ 一飯の
 恩義にあずかる旅鴉
 一肌脱ぐぜ 喧嘩なら
○なにを言やがる しんみりするな
 サイコロ一つの 振り違い
 それを荷物の ササ 喧嘩旅
 俺らはいいから ササ お富士山
 守ってくんな あの娘

※3番のうちの1・3番
※作詞佐伯孝夫/作曲吉田正

2007年05月21日

豊口陽子

黒富士のぎいと傾ぐやご来光

2007年05月20日

泉田秋硯

赤富士の威容癇癪深く秘す

大河なす梅雨赤富士の余り水

島津久基

「国文学の新考察」の「竹取物語小論」から
無論中には、上品とは言へないのもあるし、又かなり苦しい牽強(こじつけ)もあるが、燕の子安貝を採らうとして大失敗を演じた上に、生命まで賭けてしまふ結果になつたのを、
   思ふに違ふ事をばかひなしとは言ひける。
又、それを憐んで、流石に姫の心も少し動いたのを、
   それよりなむ少し嬉しき事をば、かひありとは言ひける。
などは、先づ自然で上出來の部であらう。結尾の「不死」「富士」の結びつけ工合も、あれ位なら許されてよからう。少くとも氣分に於て嫌味が無いから。

(五)富士と不死の通俗語源論的解釋から發生した傳説が此の物語の結末に材料を與へたとなす高木敏雄氏の説(比較神話學)は採りたくない。前に言及したやうに、他の各小段の終に附した滑稽な言語の遊戯の一と看るだけで十分であらう。富士神仙説は別に在つたとしても、不死の藥と若し結合して來たとすれば、寧ろ本書からの事であらう。


「国文学の新考察」の「御伽草子論考」から
更に、文政十三年(天保元年)から十七年(天保八年からは十年)後の弘化四年に成つた山東京山の歴世女裝考(卷二、〔十五〕髪筋をかんざしといひし事) の文中に引いてあ・る「富士人穴草子」の説明として、その下に東山殿比のお伽さうし、寛永九年板全二冊」と割註してあるから、これこそは二十三篇以外―――そして亦四十三篇以外にも當る―――でも御伽草子と呼び、而も室町期の小論を然く呼んだ事實に關する的確な資料を提供するものである。

2007年05月19日

新田祐久

豊年や往きも復りも富士を見て

2007年05月18日

森六蔵

「麻布中学・高等学校 校歌」
○千代田の南 麻布の丘に
 筑波のみどり 富士の白雪
 朝な夕なに 窓より仰ぎ
 学びにいそしむ わかきますらを

※2番のうちの1番
※作詞森六蔵 他/作曲池譲

2007年05月17日

穂積忠

山茶花の霜てる朝をたちいでゝ富士に息づく伊豆人われは

午後すぎていよよ魍魎(もの)めく富士のかげ梅雨深くして月夜なりけり

町なみに富士の地下水湧きわきて冬あたたかにこもる水靄

湧水の水靄ふかくたちこめて街はひそけし大き不二ヶ嶺

※「町なみに」は「町なかに」の別資料がある。三島市桜川畔(水上通り)に歌碑があるとのこと。

2007年05月16日

江木紀子

北斎の風生の赤富士ぞこれ

赤富士の赤得る速さ退く速さ

2007年05月15日

石田東陵(石田羊一郎)

「望嶽」
萬古神霊宅
巍然鎮海東
浮嵐昏旦変
積雪夏冬同
千里遙相望
孤青尚未終
久懐凌絶頂
浩歌御天風

※萬古 神霊の宅
※巍然(ぎぜん)として海東を鎮む
※浮嵐(ふらん) 昏旦(こんたん)に変じ
※積雪 夏も冬も同じ
※千里 遙かに相望めば
※孤青 尚未だ終(つ)きず
※久しく懐う 絶頂を凌ぎ
※浩歌(こうか) 天風を御(ぎょ)さんと

※注)富士山を歌ったものか確認要。

2007年05月14日

木俣修

「静岡県立清水工業高等学校 校歌」
富士が嶺に 雲は騰り
 三保の松原 風に光る
 白亜の校舎 並みたつところ
 われらが勢う 声はひびく
 学べよ明るく 誠実に
 かかげん共に よき理想
 ああ 若人に 誇りあれ
 清水 清水 わが工業高校

※3番のうちの1番
※作詞木俣修/作曲沖不可止


「平塚江南高等学校 校歌」
○山あり 富士ヶ嶺
 雲に映ゆるもの 時じくの雪
 げに 光おぎろなし
 うら若き眉をあげて
 聴かずや この匂ひ この正大
 ここぞ江南
 よき窓 わが学び舎
 ああ われらの胸 けふも美し

※3番のうちの1番
※作詞木俣修/作曲平井保善


「練馬区立田柄中学校 校歌」
○秩父の山も富士も かなたに呼び 夢をさそう
 讃えよ友とつねに このわが学び舎
 意志強く鍛えてここにかげりなし 勤労のまこと
 かかぐる理想 国を興さん
 ああ わが田柄 田柄中学校

※3番のうち3番
※作詞木俣修/作曲平井康三郎

2007年05月13日

高島九峯(高島張輔)

「鎌倉望嶽歌。用坡公登州海市詩韻。」

※鎌倉にて嶽を望む歌。坡公が登州海市詩の韻を用う。

芙蓉八朶撐青空
變幻出沒煙雲中
直立一萬五千尺
登此可以窺天宮
維嶽涌出在上世
削成巉巌神斧功
太湖萬頃一時闢
九霄飛躍深淵龍
我會欲到帝之側
神悸一笑昌黎翁
豈意老天弄狡獪
猜防卻借滕六雄

壬申秋。東游登嶽。比及半腹。天俄雪。竟不窮絶頂而下。

今日養痾碧湘上
憑檻望嶽雙眸窮
玉容儼然隔海立
彩暉映發霞光融
壮時意氣果何在
酒量涓滴空千鍾
新詞寧能致神感
自慙腹笥終不豐
但餘鬢色與嶽爭
皤皤相照臨鏡銅
何當騫翥借鵬翼
直攀絶頂凌長風

※芙蓉 八朶 青空を撐(ささ)え
※變幻 出沒す 煙雲の中(うち)
※直立 一萬五千尺
※此(ここ)に登れば以て天宮を窺(うかが)う可し
※維(これ)嶽涌出するは上世に在り
※削成 巉巌(さんがん) 神斧功(しんぶこう)
※太湖 萬頃 一時に闢(ひら)き
※九霄(きゅうしょう) 飛躍す 深淵の龍
※我會(かつ)て帝の側に到らんと欲し
※神悸(しんき)一笑す 昌黎翁(しょうれいおう)
※豈(あに)意(おも)わんや 老天 狡獪(こうかい)を弄し
※猜防(さいぼう) 卻(かえ)って借る 滕六(とうりく)の雄
※壬申の秋。東游して嶽に登る。半腹に及ぶ比。天俄に雪ふる。竟に絶頂を窮めずして下る。
※今日 痾(あ)を養う 碧湘の上(ほとり)
※檻に憑(よ)り嶽を望み 雙眸(そうぼう)窮まる
※玉容 儼然 海を隔てて立ち
※彩暉(さいき) 映發し 霞光 融(と)く
※壮時の意氣 果して何(いずく)にか在る
※酒量 涓滴(けんてき) 千鍾空(むな)し
※新詞 寧(いずく)んぞ能く神感を致さん
※自(みずか)ら慙(は)ず 腹笥の終(つい)に豐ならざるを
※但(ただ)餘す 鬢色(びんしょく)の嶽と爭い
※皤皤(はは) 相照らし鏡銅に臨むを
※何(いつ)か當(まさ)に騫翥(けんしょ) 鵬翼を借り
※直ちに絶頂に攀(よ)じ長風を凌ぐべし

2007年05月12日

升本栄子

明けて行く赤富士に声あげにけり

2007年05月11日

近藤元

やゝ疲れて電車通りを離るれば白き富士見ゆ友の手をとる

雲一ひらひねもす富士を去らざりし夕ぐれ海に風出でにけり

冬の日のけぶれるなかにしづまりてはるかに富士の山脈(やまなみ)を見る

富士見えぬ相模の山も見えそめぬほのぼの夏の夜は明けにけり

菜の花を散らして海へゆく風に吹かれて遠く富士のかすめる

2007年05月10日

長嶋勲

「静岡県立静岡高等学校 讃歌(新「静高の歌」)」
○今それぞれの 太陽が
 遥かに解き放つ 千の光
 空を駆け 富士を越え
 萌える瞳は
 真っ直に 照らし出す
 立ち向かうべきを
 静高 静高 静高 輝き熱く 限りなく
 静高 静高 静高 真の勇気に 奮い立て

※2番あるうちの1番
※作詞長嶋勲/作曲川辺真

2007年05月09日

ウォルトン(マリー・ウォルトン、W. H. M. Walton)

「御岳より乗鞍まで」
前日の我々の困苦は次の日の日出の光景を以て十二分に償はれたのである。余は廔々日本の緒の山(勿論富士を含む)で「ご来光」を見たが乗鞍の絶景に比すべきものはない。萬籟寂として声なく、眼下は白雲層々として大海原の観を呈し東方の一角太陽未だ浮ばずして僅に金色を漂はし、北方には笠、立山、槍、穂高の諸岳が一群の黒き島となって現はれ、東の方には南アルプス、駒、北又は間、塩見、東、荒川、赤石、聖等、余の曽遊の山々が其雄姿を浮かべ、富士は群峯の後ろからこちらを覗いて居る。

※「山岳」第二十二年第三号(昭和3年)より
※大正10年に富士登山

2007年05月08日

水野節子

赤富士の幸先のよし明の春

2007年05月07日

草野心平

「東京電機大学 校歌」
○日輪は 天にかがやき
 白雲は 富士に沸きたつ
 朋がらよ 眉あげよ
 大いなる 歴史のなかで
 われら新しい 真理を創る
 東京電大 われらが母校
 ああ讃えん哉
 その伝統

※作詞 草野 心平/作曲平岡照章
※2番あるうちの2番。


富士山 作品第参」
劫初からの。
何億のひるや黒い夜。
大きな時間のガランドウに重たく坐る大肉体。
 ああ自分は。
 幾度も幾度もの対陣から。
 ささやかながら小さな歌を歌ってきた。
 しかもその讃嘆の遙かとほくに。
遥かとほくに。
ギーンたる。
不尽(ふじん)の肉体。
劼靴で鬚ぢ臉鎖澄


富士山 作品第肆」より
少女たちはうまごやしの花を摘んでは巧みな手さばきで花環を作る。それをなはにして縄跳びをする。花環が円を描くとそのなかに富士がはひる。その度に富士は近づき。とほくに坐る。

2007年05月06日

鈴木守郎

「静岡県立静岡高等学校 逍遥歌」
芙蓉のかげを 水にくむ
 知識の泉 学園に
 三年の春は 快よく
 我等が夢を 通わしむ

※4番あるうちの1番
※作詞作曲/鈴木守郎

2007年05月05日

大岡信

「産卵せよ富士」より
さへぎるものない
火の矢となって
富士の子宮を灼きにくる
かの太陽の精子の流れよ
プロメテウスは立ち去ったが
役の行者は今も健在
夜ごと夜ごと彼は走る
猿(ましら)のごとく 飛ぶごとく
馬の背」の 「剣ケ峯」の
深さ二百メートルの火口壁で
行者は叫ぶ 鷲と風を

2007年05月04日

大平芳江

初富士や一都二県の隔たりに

2007年05月03日

小島政吉

「堀越高等学校 校歌」
○紫匂う武蔵の広野
 富士の高嶺は軒端に近く
 野川の音は枕に通う
 あゝうるわし我が中野

※3番あるうちの1番
※作詞小島政吉/作曲島崎赤太郎

2007年05月02日

井内佳代子

赤富士や一日一日を恙無く

2007年05月01日

道歌

「堪忍の」より
堪忍は 駿河第一 富士の山 三国一の 徳となるらん


「事足れば」より
千両箱 富士の山ほど積んだとて 冥土の土産に なりはすまいぞ


「憂きことは」より
聞きしより 思いしよりも 見しよりも のぼりて高き 山は富士が嶺