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近藤元

やゝ疲れて電車通りを離るれば白き富士見ゆ友の手をとる

雲一ひらひねもす富士を去らざりし夕ぐれ海に風出でにけり

冬の日のけぶれるなかにしづまりてはるかに富士の山脈(やまなみ)を見る

富士見えぬ相模の山も見えそめぬほのぼの夏の夜は明けにけり

菜の花を散らして海へゆく風に吹かれて遠く富士のかすめる