山本荷兮(かけい)
秋のころ旅の御連歌いとかりに (芭蕉)
漸くはれて富士みゆる寺 (荷兮)
秋のころ旅の御連歌いとかりに (芭蕉)
漸くはれて富士みゆる寺 (荷兮)
富士の嶺は雪に埋れてをるらむと思ひすがしむこのごろの夜は
心澄みすべなかりける富士の雪あはきくれなゐのちかづくとみて
二階より富士のいただきその雪を見ておりわれの死をぞ濃くする
頂上に庵する人は岩積みて暗きが中に昼もこもれり
後の月みよし野の雲や富士の雪
「詩人論」
殊に知らず、天地の情豈に一人一派にして悉知(しつち)するを得んや。月影波に横はれば砕けて千態万状を為すに非ずや。百日の富士は百日の異景を呈するに非ずや。詩人たる者唯宜しく異を容れて惟(こ)れ日も足らざるべし、何を苦しんで党派を作らんとするぞ。是も亦談理の弊に非ずや。
「武蔵野」
その内に日は名残りなくほとんど暮れかかッて来て雲の色も薄暗く、野末もだんだんと霞んでしまうころ、変な雲が富士の裾へ腰を掛けて来た。原の広さ、天(そら)の大きさ、風の強さ、草の高さ、いずれも恐ろしいほどに苛(いか)めしくて、人家はどこかすこしも見えず、時々ははるか対方(むこう)の方を馳せて行く馬の影がちらつくばかり、夕暮の淋しさはだんだんと脳を噛んで来る。
偏平に並べる小屋の遠くにていまいまし富士の雪は晴れたり
めずらしく晴れたる冬の朝なり手広の富士においとま申す
北斎は左利きなり雨雲の上から富士を書きおこしたり
八階の窓の向こうににこりと不二が笑ってのぼりおりたり
不二が笑っている石が笑っている笛吹川がつぶやいている
初富士のかなしきまでに遠きかな
蕗の薹傾く南部富士もまた
くらがりに富士の図白し更衣
南部富士近くて霞む花林檎
南部富士けふ厳かに頬被り
こほろぎの漆光りの富士額
白菊は富士新雪を前に光る
稲雀むらがり飛んで富士を覆ふ
いろがみを貼りたる富士ぞ夕桜
初富士の朱の頂熔けんとす
木槿咲く籬の上の南部富士
富士消えてよりの雲海初飛行
花あけび富士へ傾く樹にからむ
撫子を摘みし束の間富士を見し
裏富士の冷えのかぶさるとろろ汁
富士晴れに瑞の葉ささぐ孔雀歯朶
鮠透けり富士湧水を雲流れ
初富士のほど良く見えて松の糶
晴る夜の江戸より近し霧の不二
唐土に富士あらばけふの月もみよ
その富士や五月晦日二里の旅
天の原よし原不二の中行く時雨かな
天の原不二をひとくち茄子哉
不二筑波二夜の月を一夜かな
蓮世界翠の不二を沈むらむ
富士山や遠近人の汗拭ひ
富士山やかのこ白むく土用干
富士は扇汗は清見が關なれや
六月やおはり初物ふじの雪
鴨の巣や富士にかけたる諏訪の池
角帽子雪にしぼむか不二詣
むさしのやふじのね鹿のねさて虫の音
富士の嶺頂く雪を剃りこぼし
睦月富士翼のごとき雲もてり
下界まで断崖富士の壁に立つ
十里飛び来て山頂に蝿とまる
富士山に生れて死ぬる黒ばった
日本の霞める中に富士霞む
どんよりと利尻の富士や鰊群来(にしんくき)
富士火口肉がめくれて八蓮華
愉しまず晩秋黒き富士立つを
雪の富士大き空間占めて聳つ
雪の富士高し地上のものならず
解け雪富士山潜り八海に
富士山頂吾が手の甲に蝿とまる
四時起きに残雪の富士起きゐたり
富士の雪大沢崩れ降りて来る
初富士の鳥居ともなる夫婦岩
鯉幟富士の裾野に尾を垂らす
近江富士青を凝らして青峯なす
富士伊吹同じ霞の棚引けり
富士の雪天地の境越えて垂る
富士霞む伊吹も霞む距たりて
雪の無き前山雪の富士隠す
全山の雪解水富士下りゆく
草の絮優遊富士の大斜面
窓に富士得たる勤労感謝の日
二日富士望みて寄木細工買ふ
晴れてよし曇りてもよし不二の山
元のすがたは変らざりけり
下山して富士を眺める夏座敷
初景色てのひらほどの遠富士よ
雪煙富士のスロ−プより立てり
元朝の見るものにせむ不二の山
軒すぐに富士ある暮し葱植うる
近江富士かすむ翁の笠ほどに
すぐ合点ゆかざるほどに霞む富士
雲の間に赤富士覗きはじめけり
田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
「宿なし」より
○ところでここ何処今何時?
「朝の9時だって?」「見てみやー富士だって!」
このままじゃ仕事無理やっベー
名古屋に到着が12時やで
※ヤス一番? HIDDEN FISH作詞
ノリ ダ ファンキーシビレサス DJ MITSU作曲
nobodyknows+唄