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山路愛山

「詩人論」
殊に知らず、天地の情豈に一人一派にして悉知(しつち)するを得んや。月影波に横はれば砕けて千態万状を為すに非ずや。百日の富士は百日の異景を呈するに非ずや。詩人たる者唯宜しく異を容れて惟(こ)れ日も足らざるべし、何を苦しんで党派を作らんとするぞ。是も亦談理の弊に非ずや。