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中桐雅夫

「一九四五年秋供廖 腹部分引用)
夕焼けのなかの
一枚の紙幣のようなくろい富士
その麓まで
あかく錆びた草が一面に繁茂し
たがいに絡みあって、風に身をよじらせている
みにくい無数の虫が
無数のちいさい穴を掘って、必死にかくれようとしている
だが、風はなにものをも見逃しはしない