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林不忘

「丹下左膳」日光の巻
大は、まず小より始める。
富士の山も、ふもとの一歩から登りはじめる……という言葉がある。
日本の世直しのためには、まずこの江戸の人心から改めねばならぬ。
それには、第一に、この身辺のとんがり長屋の人気を、美しいものにしなければならない。
と、そう思いたった泰軒先生。

沼津名物、伊賀越え道中双六の平作と、どじょう汁。
品川から十三番目の宿場ですな。
三島からくだり道で、沼津の町へはいりますと、
「どうだい、右に見えるのが三国一の富士の山、左は田子の浦だ。絶景だなア!」
お壺の駕龍が千本松原へ通りかかると、お壺休み。つきしたがう侍たちは、松の根方や石の上に腰をかけて、あたりの景色にあかず見入っています。