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金森徳次郎

「少年少女のための憲法のお話」
一三 国の象徴(しるし)
子どもたちが、動物園へ行ってきました。帰ってからの夕食のあとで、おもしろそうに笑って、はしゃいでいます。見ると、妙なものをかいて、何だかあてっこをしています。きつねだ、きりんだ、猿だとさわいでいます。つのを見れば、牛を知り、富士山を見れば、日本を考え、国旗を見れば、日本を思うのは、あたりまえです。わたくしたちは、天皇をあおぐと、心にしみいるように深く、日本を感じます。これが象徴(しるしのこと)の意味です。甲を見ると、乙を心にピタリと感じられるときに、甲は乙の象徴です。桜の花がさいた、春がきた。紅葉が赤い、秋が深くなった。こんなばあいに、象徴の意味がはっきりします。