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諏訪秋山

「友の訪ひし時詠みける(雑録)」から「和倉温泉に浴して」より
薬師の岳(やま)の峰高く
紫嵐(あらし)に袖をはらはんも
こゝろもとなく弁天の
巌のかげにをりたては
しらべしづけき磯馴松
下枝にかすむ能登富士
闇の几帳の裾なかく
瀬嵐の森のつぎ/\に
いつしか眠る浜千鳥

※早稲田文学、明治31年(1898)に収録。