前田夕暮
まなかひに朝の富士あり天雲をつらぬきて赤くそひえたるかも
黄ばみたる桑畑の上に晝の富士ながめてひとり口笛を吹く
雪あらぬ富士の全面に翳はなし粗放厖大にして立ちはだかれり
裏富士のかげりふかくして旗たつる家あり兵のいでたらるならむ
駿河野をわが行きしかば橘の花にほふなり富士うらわかく
はろばろと雪をさかまき青空にしまきするみゆ朝晴れし富士
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まなかひに朝の富士あり天雲をつらぬきて赤くそひえたるかも
黄ばみたる桑畑の上に晝の富士ながめてひとり口笛を吹く
雪あらぬ富士の全面に翳はなし粗放厖大にして立ちはだかれり
裏富士のかげりふかくして旗たつる家あり兵のいでたらるならむ
駿河野をわが行きしかば橘の花にほふなり富士うらわかく
はろばろと雪をさかまき青空にしまきするみゆ朝晴れし富士