« 太田文萠 | メインページへ | 藤森朋夫 »

大江文坡

「成仙玉一口玄談」
今眼前に見るを以て、実に世界に是のごとき銀河ある事を知る。我等前年諸国を巡りし時、大人国といふ国へ行て見るに、麦畠は日本の竹林のごとく、松、杉、檜等を始め一切の樹木が、すべて其周囲半町巡り壱町廻りほどあるなり。商家の家といふが、大概大仏の堂程あり。山といふほどの山は、皆富士山ほどありて、軒下のしよろしよろ流れといふが、安倍川、淀河、天竜川程ありし。其国の男も女も、長が五丈四五尺から六丈有余もあり。大男といふは七八丈ほどもあり。