巖谷小波(巌谷小波)
「富士山」
○我(わが)日本(にっぽん)に山あり 富士と云ふ。
日本に二つなき山。
冬は只 仰げ仰げ、
仰げば雪を 戴きて、
眼(まなこ)を射る
白扇、さかさまなり。
○我日本に山あり 富士と云ふ。
日本に二つなき山。
夏はいざ 登れ登れ。
登れば雲に 擢(ぬきん)でゝ。
面(おもて)を吹く
天風(てんぷー) ひやゝかなり。
※巌谷小波作詞/東儀鉄笛作曲
※「お伽唱歌」(明治40)に収録
秋晴や富士明に水鏡
三日程富士も見えけり松の内
「ふじの山」
○あたまを雲の上に出し
四方の山を見おろして
かみなりさまを下にきく
ふじは日本一の山
○青ぞら高くそびえたち
からだに雪のきものきて
かすみのすそをとおくひく
ふじは日本一の山
※巖谷小波(いわやさざなみ)作詞/作曲者不詳/文部省唱歌