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富安風生(とみやすふうせい)

露涼し朝富士の縞豪放に

大空に雪解富士たゞあるのみなり

富士の霧圧倒し来る月見草

一片雲もて秋富士を荘厳す

葉月なる竪縞あらし男富士

初富士の大きかりける汀かな

赤富士に露滂沱たる四辺かな

熔岩原(らばはら)の野分の荒き男富士

赤富士やぬうっと近き面構え

赤富士に露の満天満地かな

あはあはと富士容(かたち)あり炎天下

秋富士に孤鶴のごとき雲をおく

初冨士や茶山の上にかくれなし

片雲を扇かざしに秋の富士

一痕の雪渓肩に男富士

萬緑の中富士とわが一対一

秋富士を拾う湖辺の撩


※富安風生は、自筆の句集「富士百句」をまとめている。

参考URL
http://www1.ocn.ne.jp/~go79dou/haiku001.html