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大淀三千風

涼しさや始て富士に後むく


「日本行脚文集」
先づ此山の開始は、いともかしこき聖君、孝安天皇九十二、水無月一夜のうちに、江州に凹(なかくぼ)の湖湧出、浮島が原に凸(なかたか)の富峰忽然と生出たり。しかあれば八層の下陰に皇帝の陵をとどめ給ふ。かつ役の角仙信託をうけ、忝なくも天照大神の息神魂(いきみたま)、市杵島姫の幸魂、加久夜姫命、則ち此御山の本主也