坂村真民
「日本よ永遠なれ」
富士の高嶺に
鎮まり在ます
木花開耶媛よ
さくら
さくら
日本よ永遠なれ
あなにやし えおとめ
あなにやし えおとこ
国産みの
若い二人の神よ
ああ
日本よ永遠なれ
葦の芽の
萌え出づる
若き国よ
夢よ豊かに
日本よ永遠なれ
海から生命は生まれ
海は命の始まり
海に囲まれ
生きてきた民よ
日本よ永遠なれ
敷島の日本(やまと)の国は言霊の
たすくる国ぞ真幸(まさき)くありこそ
柿本人麻呂よ
来りて導き給へ
ああ
日本よ永遠なれ
「千年後」
千年後の祖国が
どうなっているか
それはわからないが
念ずれば花ひらく
いくつかの碑が
残っていて
呼びかけて
くれるだろう
地球温暖化のため
小さい国が
更に小さくなり
富士山頂の
木花開耶媛も
淋しがっていられるだろう
わたしが
飛天になりたく
思うのも
そんなことからだ
「桜花迎春 」
日本の乱れが
桜に伝わり
富士山頂に鎮座まします
木花開耶媛(このはなさくやひめ)に
御心配かけているのでは
なかろうか
桜が咲いたら
まず一輪を
口に噛み
体を浄化して
喜びを伝えよう
ああ
九十三歳で迎える
桜の花よ
「桜賛歌」
咲いた
咲いた
桜が
咲いた
宇宙和楽の
桜が
咲いた
富士の高嶺に
鎮まり居ます
媛を称(たた)えて
乾杯しよう
日本の栄えを
民の奮起を
※2006年12月11日死去。ご冥福をお祈りします。