野中千代子
頂きは人しなければニはしら降りし御世の心地こそすれ
夏山は何れの人か踏初(ふみそめ)し雪の高ねはわれぞ分ぬる
うた人の眺めのみせしふじのねを御代の光りとなさましものを
国々の海山かけし大庭をわがもの顔に眺めあかしつ
富士のねの雪にかばねは埋むとも留め置まし日本(やまと)だましひ
露茶にも味が出るうへふえはするお客も室も共によろ昆布(こぶ)
観測のランプピカ/\よもすがらうろつくわれは蛍なりけり
夜日とも眠りもやらでゐるわれはいたるにあらで蛍なりけり
たとへ身は増荒(ますら)おの子にあらずとも尽す心はをとらじものを
姫神のいます御山に登りしはいかなるえにしありてなるらむ
姫神と聞もなつかし皇国(すめらぎ)に尽すわれをば守りたまへや
さなぎだに白露しげき裾野にて人のなさけに袖しぼるらん