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喜多村信節(喜多村■庭:きたむらいんてい)

「嬉遊笑覧」
相撲大全に、角前髪の角力取櫛をさすこと元禄年中に盛なりし云々。此事おぼつかなし。たまたま櫛をさしゝもありしなるべし。かく云ては多くさしたる様なり。さはあるまじきと思はるゝは五元集闘鶏句合素琴が句■勝鬨に毛なみを直す櫛もがな■判云。中入して手はじめなるに女房の後見とは心得ぬ業なり。
富士の烟のかひやなからん。力かひなく歯がみせらるゝぞかし。牝鶏晨すればわざはひ有とこそ伝へ侍れ。象もよくつながれ鹿必よると云る詞をしらば、さしぐしも心を付てつゝしむべし。