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住吉胡之吉

正直に自分の日本に対する気持。日本は好きだ、愛する。だが日本の国体云々以上に日本人は大きく人間の運命を考へなければならないのではなからうか。美しくも清き富士、郷土愛、民族愛、が祖国愛たることならば、人後に落ちない。だがたゞ過去の歴史、国体のために戦ふのはどうしても割り切れぬ。人間の悲惨事は天皇では救へぬ。日本人一人々々がもつと立派にならなくては。

※「はるかなる山河に−東大戦没学生の手記」より