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「夕波」より 汐けむりもやごもる磯に夕富士は紺の色してたかくしありけり
「伏見丸にて」より 伊豆も遠江(とほたふみ)もまた富士も、雲多くして見えずときゝながら、船すこし動くに部屋にのみこもる。
「北海道の旅」より 蝦夷富士といはれてゐる羊蹄山(しりべしさん)が、をぐらくなつて行く空に、けれどもはつきりと重々しい姿して、大地のおごそかな威力をもつて座してゐるのが近くに見えて、六時頃倶知安駅(くちあんえき)に着いた。駅員のなまりの多い呼び声に、旅の人らはドツとみな笑つた。
投稿者: Owner 日時: 2007年08月25日 00:04 | この内容のURL