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原勝郎

「東山時代における一縉紳の生活」
そもそも連歌師の常とはいいながら、宗祇の旅行は、その回数においても、はたまたその範囲においても、共にすこぶる驚くに足るものであり、関東には七年も遍歴し、十一箇国それぞれの場所から富士山を眺めて、なかんずく筑波山から見るが最もよいと断定したほどの大旅行家で、したがって方言にも精通し、かつて実隆に『京ニ筑紫ヘ坂東サ』などの物語をしたこともある。