« 夏目漱石 | メインページへ | 平治物語 »

義経記(ぎけいき)

「義経記」(大町桂月校訂)
さてこそ常盤は三人の子供をば所々にて成人させ給ひけり。今若八歳と申す春の頃より観音寺にのぼせ学問させて、十八の年受戒、禅師の君とぞ申しける。後には駿河国富士の裾野におはしけるが悪襌師と申しけり。八条におはしけるは、そしにておはしけれども、腹あしく恐ろしき人にて、賀茂、春日、稲荷、祇園の御祭ごとに平家を狙ふ。